日本三景 カニ尽くし 春の丹後半島~城之崎
リアス式海岸が発達している若狭湾には敦賀湾や美浜湾、小浜湾、舞鶴湾、宮津湾などの支湾が存在し、一帯は大変風光明媚な地形です。今回は小浜湾、宮津湾を訪ね、また日本三景の一つである天橋立から丹後半島、城之崎、出石をまわりました。
1989年3月16日(木)
若狭湾国定公園 小浜
東京から米原まで東海道新幹線ひかり345号に乗り、米原で特急加越1号金沢行きに乗り換え、敦賀で下車。富山名産「鱒寿司」を購入してから小浜線に乗り、駅弁を食べながら車窓より三方五湖を眺めます。のんびりと約2時間の列車の旅で、小浜駅に到着。本日は小浜湾を望む「サンホテルやまね」に宿泊。海の幸が豊富な料理で、蟹三昧に舌鼓を打ちます。
1989年3月17日(金)
小浜港から「蘇洞門めぐり」をする予定でしたが、天候が悪く船が欠航になり、残念ながら予定を変更して小浜の町を散策。ここ小浜には若狭塗や若狭めのう等の伝統工芸品があります。今回はめのうの製造元「森下めのう店」を訪ね、イヤリングなどのアクセサリーを購入しました。
日本三景 天橋立
小浜駅から小浜線に乗り天橋立駅へと向かいます。天橋立駅から天橋立松並木を歩きましたが、途中からみぞれ交じりの雨となり大変寒い日でした。一宮桟橋から天橋立桟橋までは快速モーターボートで戻り、本日の宿「清輝楼」に到着。この宿はかつて、すぐ目の前が海で、客が部屋から釣り糸を垂らし釣りを楽しむ事が出来たそうです。
宮津はその昔、丹後縮緬買い付けのために訪れる京都呉服問屋の旦那衆たちの拠点となり栄えていました。明日は丹後半島へ足をのばします。
1989年3月18日(土)
丹後半島めぐり
宮津を出発して天橋立へ。丹後半島めぐり観光バスは、天橋立―府中(一宮)―伊根―経ヶ岬―間人(たいざ)―網野と丹後半島を一周するコースです。まず一宮では「股のぞき」の名所傘松公園へ。股の間から天橋立をのぞくと天地が逆転し、まさに天に架かる橋のように見えます。
舟屋は伊根町特有のもので、母屋から道路を挟んで海際に建てられ、1階には船揚場、物置、作業場があり、2階は客室、民宿等に活用されています。伊根湾めぐり遊覧船に乗り、湾を取り囲むようにして建つ舟屋を海上から眺めるのは、陸地からではなかなか味わえない趣があります。船に群がるカモメに餌をやるのは少し怖いような気もしました。
暫くするとバスは断崖絶壁の海岸線を走りますが、車窓からの眺めは素晴らしいものです。経ヶ岬では休憩がてらあたりを散策。次に江戸時代中期より絹織物が発達し丹後ちりめんとして有名な丹後町を見学しました。昔は家々から機織りの音が絶え間なく聞こえてきたそうです。網野でバスを降り次の目的地へ向かいます。
山陰海洋国立公園 城崎温泉
網野駅から豊岡でJR山陰本線に乗り換え、城崎温泉駅に到着。今夜の宿は円山川沿いに建つ「川口屋 城崎リバーサイドホテル」です。城崎温泉には昔から数多くの著名な文人が訪れ、なかでも白樺派の文人・志賀直哉は滞在中の体験をもとに小説「城の崎にて」を執筆しています。石造りの太鼓橋がかかる小さな川と柳並木は、城崎温泉の情緒溢れる代表的な風景で、温泉街には7軒もの外湯が点在し外湯巡りを楽しむのも一興かと。
1989年3月19日(日)
但馬の小京都 出石
全但バスで「出石史跡めぐり」に出発。城崎駅―渡船乗り場―玄武洞―出石城址―豊岡のコースです。
城崎駅から円山川沿いを行き、JR玄武洞駅前にある渡船乗り場へ到着、ここから船で対岸へ渡り玄武洞を見学。玄武洞は約160万年前に来日岳の噴火によって噴出されたマグマが冷却され、玄武岩塊が形成されたもので、約6,000年前に波の侵食により玄武岩塊がむき出しとなり、これを人々が採掘し今日見られる洞窟が形成されたそうです。ここは他の鍾乳洞のように洞の中に入れるわけではなく、見上げて眺めるだけでした。
渡船で対岸へ戻り、但馬の小京都 出石の城下町へ。城址や辰鼓櫓(しんころう)を見学、昔ながらの町並みは風情があってなかなかでした。出石と言えば出石焼きと出石皿蕎麦が有名で、このコースには昼食の蕎麦がついていて、出石焼きのお皿に盛った蕎麦が5枚も出てきました。その後JR豊岡駅でバスを降りました。JR豊岡駅から山陰本線に乗り福知山を経由して京都へ。京都から新幹線ひかり102号で東京へ戻りました。