自然を満喫、桃・桜!春の南アルプス
山梨といえば誰もが武田信玄を思い浮かべるが、今回はあえて信玄ゆかりの地ではない山梨を訪ねてみた。桃と桜の花見だけにとどまらず、温泉に浸かりながら、或いは車窓、宿の部屋からと何処にいても富士山を眺められるという贅沢な旅であった。
2007年4月14日(日)快晴
新宿を出発して首都高速から中央高速に入る。やや渋滞気味のため途中の談合坂サービスエリアで休憩をとった後、勝沼インターチェンジで下り、最初の目的地である立ち寄り湯に向かう。山梨市内には幾つかの温泉があるが、ここ「ほったらかし温泉」は、眼下に甲府盆地を一望し、湯に浸かりながら正面に富士山を眺めるという、とにかく素晴らしい景色が眺められる所なのである。露天風呂ではあまりに日差しが強いので編み笠の用意があったほど。ただし言うまでもなく、常に絶景が拝めるとは限らない。
辺りには果樹園が多く、車窓から眺める桃の花はまさに見頃。これぞ桃源郷と呼ぶにふさわしいほどの桃色の絨毯であった。湯にも浸かったということもあり、そろそろお腹の空く頃。果樹園の中にあるお休み処「浅間園」で、山梨の郷土料理「ほうとう鍋」を味わった。
ワイナリー見学
山梨には数多くのワイナリーがある。山の中にあるぶどう園ワイナリー等のようにこぢんまりとしたものから、大型バス駐車場があるような大きなワイナリーといったものまで様々あるようだ。今回はマルスワインに立ち寄った。ワイナリーの中ではワインの製造過程などの説明を聞きながら見学していく。ワインセラーの中はやはりヒヤッとするものである。ここではもちろん試飲も出来るので、いろいろと試しながら購入するのがよいだろう。マルスワイン以外にも、こぢんまりとしたワイナリーを訪ねながら「マイ ワイン」を見つけるのもお薦めだ。
南八ヶ岳温泉郷
再び中央高速に入る。元サッカー日本代表選手・中田英寿氏の出身高校があることで知名度の上がった韮崎を通り、1日目の宿泊地、須玉温泉 若神楼へ向かう。新緑に包まれた山間の宿である。
2007年4月15日(日)晴れ
真原桜並木と甲斐駒ヶ岳
「今年は暖冬の影響で桜の開花が早い」との予報が大幅に外れ、今が丁度見頃である。この辺りでも満開の桜が見られると言うことで、真原桜並木通りへ向かった。駐車場から歩くこと数分、目の前には満開に咲く桜並木が現れた。ややオーバーな言い方ではあるが、訪れた者達を魅了するのは間違いないだろう。並木道を脇にはいると、雲海さながら満開の桜の向こうに遙か南アルプス・甲斐駒ヶ岳が雄姿を現している。周りには、見るからに高価な撮影機材を持ち込み、シャッターチャンスを待つ人達の姿も多い。
三代校舎 ふれあいの里
須玉町下津金にある「三代校舎ふれあいの里」は、旧津金学校の校舎を利用した施設で、明治・大正・昭和という三世代の校舎が並んで建っていることから三代校舎と呼ばれている。学校と言えば桜が付きもののようであるが、この地も満開の桜であった。
明治校舎は「藤村式」と呼ばれる疑洋風建築で、明治8年に落成。この種の建築物として現存する中では日本最古で、山梨県の指定文化財である。現在は須玉町歴史資料館として利用されており、町内から出土した土器(出産土器・水炎土器他)なども展示されている。大正校舎は、体験施設「大正館」として利用されており、農業体験のほか、ほうとう・そば打ちなどの体験が出来る親子で楽しめる学び舎となっている。昭和校舎には地元で採れた新鮮な食材を使ったイタリアンレストラン「ぼのボーノ」、焼きたてのパン屋さん、地元の農産物を販売する特産品コーナー、昔の学校給食をランチメニューに再現した「和食・古宮」、また美容と健康によいハーブのお風呂と宿泊施設がある。
昼食には「和食・古宮」で「校長先生のお弁当」を注文。また話の種になるということで、ランチメニューその名も「おいしい学校の給食 シチューコース」も一食注文してみた。
心おきなく自然を堪能したところで八ヶ岳の山々に別れを告げ、須玉インターより中央高速に入った。遙か彼方にそびえる富士山も何時しか姿を消し、一路帰路に就いた。