ぐるり四国巡り、秘境と清流の地をゆく
四国をぐるりと回る。神戸・鳴門ルートを利用して徳島の鳴門に渡り、鳴門海峡の迫力ある渦潮を見学。讃岐名物のうどんを味わい四国中央部を観光しながら土佐へ南下して足摺岬まで足をのばす。新鮮な清水サバなどの魚介類に舌鼓をうち堪能。清流四万十川の風景を楽しみ松山へ。通称「しまなみ海道」と呼ばれている尾道・今治ルートを走り瀬戸内海の展望を楽しんだ。四国にある現存天守(丸亀城、高知城、宇和島城、松山城)もくまなく制覇、四国満喫・満足の旅である。
2011年11月1日(金)晴れ
明石から鳴門へ
本州と四国を橋などで結ぶ本州四国連絡橋には3ルートある。そのうち最も東側にある明石海峡大橋を渡り本州から淡路島へ。早朝は交通量も少なく走りやすい。
淡路島と四国とを結ぶ鳴門大橋を渡って四国へ到達。
鳴門海峡
鳴門に到着、観潮船乗り場に向かう。ちょうど大潮にあたり干潮時刻(10時30分)の前後2時間が最適と聞いていたので、9時発の観潮船に乗船する事にした。まだ時間に余裕があったので鳴門公園にあるお茶園展望台まで行ってみた。
観潮船うずしお汽船に乗船。船はスピードを上げて飛沫がかかるほど。渦に差しかかると船はかなり揺れるが、渦を巻く様子も間近によく見える。特に瀬戸内海と太平洋の境目、大鳴門橋の下あたりでの渦は迫力があり見応え充分である。
瀬戸内海と太平洋の水位差が現れ、流れる様子がよくわかる。
丸亀城
丸亀市へ移動して丸亀城を見学。丸亀城は別名、亀山城、蓬莱城ともいう。総高60メートルの石垣は日本一高く、見事である。
高さ20m以上の石垣が続く。隅角部(すみかどぶ)は算木積(さんぎづみ)と呼ばれる積み方で、反りを持たせる扇の勾配と呼ばれれている。
- 美しい曲線
- 傾斜が急で時々立ち止まって振り返りたくなることから、いつしかそう呼ばれるようになったそうだ
- 桜の頃はきっと見事だろう
- 本丸から見た天守閣
- 400年の歴史を刻む丸亀城
- 本丸からの眺望
- 三の丸月見櫓跡と眺望
- 本丸を後にして、三の丸から南側の搦手口(からめてぐち)へ
- 搦手口を振り返る
- 石垣の脇を通り下る
- 石垣を見上げる
- 団扇と丸亀城をデザインした丸亀市のマンホール
香川県と言えばうどん県であるから、うどんを抜きにするわけにはいかぬ。今回は山下うどんで昼食。人気の讃岐うどんを味わう。
金刀比羅宮と琴平町
続いて琴平町営駅前駐車場から金刀比羅宮へ向かう。古くから「さぬきのこんぴらさん」として親しまれている海の神様だ。参道の長い石段は有名で、本宮まで785段、奥社までの合計は1368段あるという。
石畳の道の両脇には桜が植えられており、春には爛漫に咲く桜が素晴らしいことから桜馬場と呼ばれている。
旭社を左手に見ながら、廻廊に沿って北へ進み、唐銅の鳥居をくぐり御本宮を目指す。
琴平神社の最寄り駅、JR琴平駅と琴電琴平駅は200m位離れている。
「道の駅 たからだの里さいた」にある農産物直売所「さぬきたからだ市」に寄る。新鮮な野菜や果物が多く並んでおり特に蜜柑や柿などが豊富であった。
土讃線の秘境駅
徳島県と香川県の県境にある猪ノ鼻峠付近、鮎苦谷川(あいくるしだにがわ)沿いの谷底にある秘境駅と言われている坪尻駅に行ってみた。元は鮎苦谷川(州津川)の川底だった場所を列車が通っている。国道32号線の標識から50m位離れた処にガードレールの無い部分があり、駅への入口らしい坂道?山道らしき道を下る。
- 国道32号上にある坪尻駅の道路標識と四国交通バス停
- 坪尻駅入口
- 坂道を下ると竹藪の竹がなぎ倒されていて、道を塞いでいる
- 道が狭くなり更に進むと廃屋が見える
- 列車が通過
- スイッチバック
- 坪尻駅駅舎
- ホームから橋倉方面を眺める
祖谷へ
祖谷へ向かい、途中で松尾川温泉で立ち寄り湯。ほんの少し白く濁った湯は手をつけただけでヌルヌルとした感触で心地の良いお湯である。
この時間になると日も暮れて辺りは真っ暗。細い道を進むと祖谷渓温泉の近くで、祖谷川沿いの断崖に立つ小便小僧が見える。祖谷街道の開設工事で残った岩が突き出ており、岩の上にかつて地元の子供達や旅人が度胸試しをしたという逸話をもとに作られたようだ。
かずら橋の上に位置する祖谷観光旅館に宿泊。
かずら橋をライトアップ(19:00~21:00)していると聞き夕食後出掛けてみた。闇夜の中に照らされた光景はとても幻想的である。
2011年11月2日(土)晴れ
かずら橋
早朝より、三好市西祖谷山村善徳のかずら橋を見学。かずら橋はサルナシ(しらくちかずら)などの葛類を使って架けられた原始的な吊り橋(長さ45m、幅2m、谷からの高さ14m)で、日本三奇橋の一つだ。さらに祖谷川の上流、三好市東祖谷菅生にも2橋架けられており奥祖谷二重かずら橋(おくいやにじゅうかずらばし)と言われ、男橋、女橋、夫婦橋と呼ばれている。
- こちらは入口専用、橋の上は一方通行
- 祖谷渓大橋からかずら橋を展望出来る
- 橋はかなり揺れる
- 丸太や割木を荒く編んだだけで、足下のすき間から川面が望める
- 琵琶滝周辺からかずら橋を眺める
- かずら橋のそばにある琵琶滝
- 祖谷川に降りてみた
大歩危峡
大歩危・小歩危渓谷を眺める。紅葉はまだ少し早いようだ。
龍河洞
日本三大鍾乳洞の一つ、高知県香美市にある鍾乳洞・龍河洞を見学した。
- 土産物店が並ぶ
- 龍河洞入口
- 狭い通路を進む
- 千仞の間
- 鍾乳石
- 雲の掛橋
- 記念の滝(高さ11m)洞内最大の滝
- 天降石(高さ11m)絞り幕(高さ6m)
- 奥の千本
- 流礫棚(りゅうれきだな)
- 裏見の滝
- 玉簾の滝(高さ6m 幅4m)
- 鮭の石
- 通天門
- 連星殿
- 薄い幕のような…
- 七福神
- 弥生時代の穴居生活の跡
- 香美市マンホールは、やなせたかし氏による「龍河洞リューくん」
高知城
高知市街へ。まず、山内一豊によって創建されて以来、約400年余りの歴史を有する南海の名城・高知城を見学。高知城は別名、鷹城(たかじょう)ともいう。
- 山内一豊公之像
- 追手門から天守閣を望む
- 高知城と板垣退助像
- 天守閣
- 山内一豊公の妻・千代の像
- 詰門周辺
- 矢狭間塀の横を通る
- 黒鉄門東南矢狭間塀、丸や三角が鉄砲、長方形が矢で攻撃する構造
- 天守閣と本丸御殿(懐徳館)
- 天守閣展望台からの眺望
- 司馬遼太郎の作品「功名が辻」
高知市内
江戸時代初期,堀川を隔ててすんでいた播磨屋(ひつや)とが互いの往来のために橋を架けたのが「はりまや橋」の名の由来のようだ。現在は悲恋物語で知られている純信・お馬のモニュメントが設置されている。観光名所として知られた橋だが、こじんまりとしており過度な期待は禁物。
高知で電車といえば路面電車のことで高知市民の通勤や通学の足として利用されている。はりまや橋を中心に東西南北に路面電車が走り、様々な車輌を目にすることが出来る。はりまや橋停留場は、軌道同士の直角平面交差「ダイヤモンドクロッシング」が現存する場所である。
桂浜
高知市街から浦戸大橋を渡って桂浜へ。月の名所として名高い桂浜は、龍頭岬と龍王岬の間に弓状に広がる砂浜。
仁淀川~土佐清水市へ
土佐清水市へ向かう。途中で渡る仁淀川は全国一級河川の水質ランキングで第1位となっている清流で、四万十川、吉野川と並ぶ四国三大河川のひとつだ。今回は日程の都合上、流域を訪ねる事が出来ないので仁淀川河口だけでもと思い立ち寄ってみた。
車窓からは、ちょうど収穫時期らしく生姜を土から掘り起す収穫作業の様子が彼方此方で見かけられた。土佐の生姜出荷量は日本一である。
本日の目的地、足摺岬へ。岬にほど近いペンションサライに宿泊。口コミを参考に選んだが、じゃらんアワード2012中国・四国編「ユーザーが選んだ!泊まってよかった宿・夕食1位」に輝いただけのことはある宿だ。清水サバの刺身や鰹のたたきなど新鮮な魚介類はどれも美味しく満足であった。
2011年11月3日(日)曇りのち雨
足摺岬
太平洋に突き出ている四国最南端に位置する足摺岬を早朝散策。自然遊歩道入口の傍にジョン万次郎の像がある。先ずは展望台から眺める視界270°の景色、断崖絶壁にそびえる白亜の灯台と黒潮の流れは見応え充分。
続いて展望台から天狗の鼻、ビロー自生地へ向かう。途中には椿のトンネルと言われている遊歩道を進む。見たところ、ここまで足を延ばす人は少ないかもしれない。
- 椿が覆い茂りまるで椿のトンネルを潜っているような感じ
- 自然遊歩道の途中にある案内板
- 天狗の鼻は足摺岬灯台を眺める隠れた名所
- ビロウはヤシ科の亜熱帯植物で高知にあるものが北限
- 自然遊歩道から垣間見る景色
展望台まで戻り、そこからさらに足摺岬灯台まで歩く。
あしずり温泉郷にある万次郎足湯から白山洞門を眺める事が出来る。
土佐くろしお鉄道
この辺りは土佐くろしお鉄道が走っている。
- 中村駅と駅前のオブジェ
- 後川橋梁を渡る特急南風を撮影したかったが…到着したときに後川橋梁を通過していた!
- 土佐くろしお鉄道「だるま夕陽」中村・宿毛線のイメージキャラクター・サニーくん+サンコちゃん
- 四万十川右岸
- 四万十市(旧中村市)のマンホール
四万十川沈下橋
中村駅から四万十川に沿って国道441号線を上流へ。四万十川には沈下橋と呼ばれる橋がある。増水時には沈下してしまう橋である。本日は四万十川を遡るように沈下橋巡りをする。
- 四万十川最下流で最長の沈下橋・今成(佐田)沈下橋
- 船母船と屋形船
- 下流側から数えて2つめの沈下橋・三里(深木)沈下橋
- 高瀬沈下橋からの風景
- 四万十川で3番目に長い高瀬沈下橋
- 橋脚が3本ある珍しい沈下橋・勝間(鵜の江)沈下橋、釣りバカ日誌14の撮影現場
- 岩間沈下橋では雨が降り出してきた
- 道の駅 広見森の三角ぼうしに立ち寄ってみた
宇和島城
宇和島市街にある宇和島城へ立ち寄る。入口の門をくぐるとすぐに登り坂である。生い茂る樹木の中を登る石段は意外に険しく登山道のようである。
- 桑折(こおり)氏武家長屋門
- 苔むした石垣群
- 井戸屋形・井戸
- 生い茂る樹木を抜けると前方に天守閣が見えてきた
- 現存12天守の1つ宇和島城
- 宇和島市内の眺め
- 宇和島闘牛をデザインしたマンホール
- 宇和島牛鬼祭りの牛鬼をデザインしたマンホールと消火栓のマンホール
- 宇和島らしさをモチーフにしたタイル
大洲
伊予の小京都と言われる町「大洲」の肱川河畔にある大洲城に立ち寄る。
大洲市街から瀬戸内海方面へ。河口近くで長浜大橋(ながはまおおはし)を見学。この橋は大洲市の肱川河口にある道路橋で、橋の下に船を通すため中央部分(18m)を跳ね上げて開閉するバスキュール式(跳ね上げ式)可動橋である。日本で現存する道路開閉橋としては最古のようだ。現在は国道378号線の新長浜大橋が架かり幹線道路としての役割は終えたが、地元の生活道路として親しまれ利用されている。点検・観光を兼ねて毎週日曜日に開閉されるが調査のため中止されていた。
予讃線
瀬戸内海を眺めながら海岸線を進み、途中で予讃線の串駅に立ち寄る。遮断機も無ければ、警報機も無い踏切を渡り少し高台に上ると、眼下に広がる穏やかな海原・伊予灘が望める。
青春18きっぷのポスターに3年間(1999~2001年)起用されて有名になった「日本で一番海に近い駅」下灘駅に到着。夕日の絶景スッポトだが残念ながら今回は天候不順のため断念した。
本日は伊予灘の海の幸が楽しめる魚吉で夕食。部屋からは伊予灘の海を眺める事が出来るのだが、あいにくの天気で残念であった。強火で炊き上げ天然鯛の旨味をとじ込めた魚吉自慢の鯛釜めしを味わう。
夕食を済ませ松山に向かう。ホテルクラウンヒルズ松山に宿泊。
2011年11月4日(日)晴れ
松山市内
一夜明けて外は快晴だ。ホテルの貸し出し自転車無料サービスを利用して松山城まで出掛けた。市内には路面電車が運行されている。郊外線・高浜線と市内線・大手町線が直角に平面交差する珍しい場所を目にする事が出来た。
松山城
松山城は別名、金亀城(きんきじょう)、勝山城(かつやまじょう)と言われ日本の現存天守の一つだ。大天守と小天守、南隅櫓、北隅櫓を渡り櫓(廊下)で結んだ連立式平山城である。愛媛県庁裏に自転車を駐め二之丸史跡庭園の塀に沿って進むと黒門口登城道と合流する。鬱蒼とした森の中に入り緩やかな石段を登る。しばらくすると視界が開け、石垣が見えてくると間もなく大手門跡に到着だ。
- 二之丸史跡庭園外の塀に沿って進む
- 鬱蒼とした森の中、石段が続く
- 大手門跡より天守閣を眺める。東雲口登城道と合流
- まもなく戸無門
- 隠門続櫓の東側広場から松山市街地(南東の方角)
- 太鼓門を抜けて本丸広場に到着
- 天守前チケット売り場
早朝で、天守内見学開門までにはまだ時間があったので辺りを散策、石垣に沿って進むと乾門が見えてくる。乾門を右手に見ながら塀に沿って歩き紫竹門を潜ると天守前に戻ってきた。
- 東塀に沿って歩く
- 北隅櫓、十間廊下、南隅櫓を見上げる
- 紫竹門を潜り振り返る
- 一ノ門手前より天守を見上げる
- 一ノ門が開き天守見学へ
- 天守玄関がある中庭を防衛する重要な櫓門
- 小天守内の様子
- 小天守からの眺め
- 天守内の様子
- 天守からの眺め、遠くに瀬戸内海
- 天守や二之丸などの眺望
道後温泉
続いて松山市内を観光。道後温泉は日本書紀にも登場するわが国最古の温泉と言われ、立ち寄り入浴の観光客でかなりの賑わいを見せていた。源泉掛け流しでスベスベする良い湯であった。この日はそれほど混んでいなかった。
坊っちゃんカラクリ時計は道後温泉駅の正面(放生園)にある。リズムにのって時計台がせり上がり夏目漱石の小説「坊っちゃん」の登場人物、坊っちゃんやマドンナ達が現れる。
伊予鉄道城南線の道後温泉駅は、道後温泉への最寄駅で坊っちゃん列車の終着駅でもある。そのため引き上げ線で坊っちゃん列車の機関車の方向転換が見られる。
瀬戸内しまなみ海道
松山市を後にし、しまなみ海道で本州・尾道側へ渡る。しまなみ海道今治側にある糸山公園に立ち寄り来島海峡と来島海峡大橋の眺望を楽しんだ。来島海峡は鳴門海峡、関門海峡と並び日本三大急潮流の一つで、瀬戸内海のちょうど真ん中のあり、点在する島々と来島海峡大橋との調和が素晴らしい。
瀬戸内しまなみ海道・今治ICから入り、一度、大島南ICで降りて「道の駅 よしうみいきいき館」と亀老山展望公園に立ち寄る。
亀老山(きろうさん、きろうざん)は瀬戸内海・大島の南部にある山で別名を大亀山(おおきやま)、隅ヶ岳と言うようだ。山頂(標高307m)には展望台が設置されており、来島海峡を眼下に望む瀬戸内の夕日の眺望スポットとなっている。
大島北ICより再びしまなみ海道に入る。大島大橋、伯方、大三橋、多々羅大橋、生口橋、因島大橋、尾道橋を渡り広島県尾道から山陰自動車道で帰路についた。
吉備SA
吉備SAで一休み。足下に可愛いタイルを発見、次々パチリとしていたら…10枚。