ジオパーク室戸、蒲生田岬の自然と大塚国際美術館
ウミガメの産卵地・日和佐の海岸や室戸岬を訪れた。ユネスコ世界ジオパークに認定されている室戸には地質遺産が点在している。2日目は四国最東端の蒲生田岬へ、3日目は陶板名画美術館として知られる大塚国際美術館で世界の名画を体験する。
2017年3月18日(土)晴れ
明石海峡大橋を渡り淡路島に到着。淡路島を南下して、うず潮で有名な鳴門海峡を渡り四国へ向かう。
霊山寺
まず四国八十八ヶ所霊場の第1番札所の霊山寺を訪ねる。巡拝者は道中の無事と願いの成就を祈願するという。随所で同行二人(どうぎょうににん)と言う言葉を多く目にしたが、これは常に弘法大師と共にいるということ、そして遍路で使われる杖には弘法大師が宿ると言われている。
大浜海岸
続いて日和佐の大浜海岸へ。長さ500m程の大浜海岸はウミガメの産卵地として広く知られており、毎年5月中旬~8月中旬にかけてアカウミガメが産卵のために訪れるという。1967年8月16日「大浜海岸のウミガメおよび産卵地」の名前で国の天然記念物に指定された。また白砂の海岸は1996年に「日本の渚百選」にも選定された。
日和佐うみがめ博物館カレッタ
大浜海岸のすぐ前に、世界でも珍しい「うみがめ博物館カレッタ」がある。カレッタとはアカウミガメの学名が由来。ウミガメとのふれあいや餌やり体験などもできる。
恵比須洞
田井湾の入り口にある大きな岩山は、内部が波に浸食されて大きな穴になっている。穴の高さは30mほどあるらしい。イワツバメが生息しているという。
日和佐城
山の上に或る日和佐城に登る。天守閣の中は展望室・展示室になっていて町内のパノラマが見られる。
徳島県海陽町にある「ももや食堂」で昼食。穴子・アオリイカ・小エビの天麩羅定食をそれぞれ注文したが、ボリュームたっぷりであった。
阿佐海岸鉄道
海岸線に沿って高知の奈半利方面へ向かう。この区間は「阿波室戸シーサイドライン」と呼ばれる鉄道が併行しているが、甲浦駅から奈半利駅間は工事未成で分断されている。結果的に海部駅から甲浦までとなる阿佐海岸鉄道の阿佐東線は総延長8.5kmと短く全3駅である。
鹿岡の夫婦岩
室戸半島の東側海岸線、太平洋を眺めながら国道56号線を走ると、しめ縄で結ばれた2つの大きな立岩が見えてくる。
室戸世界ジオパークセンター
実際にジオパークを見学する前に、室戸世界ジオパークセンターで基礎知識を学んでから大地の自然に触れてみるのも良い。期間限定で実施中の「龍馬パスポート」参加施設である。
乱礁遊歩道
波が荒々しく岩礁に砕け散る室戸岬周辺2.6kmにわたり遊歩道が整備されている。弘法大師ゆかりの地が点在している。
マグマが地層に貫入して固まったとされる岩で、水平に貫入したものがその後の地殻変動によりほぼ垂直に回転したものである。
- ビシャゴ岩
- 岩礁
- 海食台
- 形が烏帽子に似ているエボシ岩(班レイ岩)
- 灌頂ヶ浜(かんじょうがはま)
- 砂岩と泥岩の互層から成りたつ
- タービダイト層
- 坂本龍馬とともに活躍した明治維新の勤王の志士中岡慎太郎銅像
- 風見鯨のモニュメント
室戸岬の宿
1日3組限定の宿「うまめの木」に泊まる。地元産山海の幸を使った料理はなかなかである。夜、外に出て室戸岬灯台を眺めると、日本一の光達距離26.5海里(約49Km)のサーチライトが感動的であった。
2017年3月19日(日)晴れ
灌頂ヶ浜・日の出
朝は室戸岬の突端部、灌頂ヶ浜で太平洋に昇る太陽を眺める。
最御崎寺
室戸岬灯台へ向かう道の途中にある最御崎寺は四国八十八ヶ所霊場の第24番札所で、土佐では最初の札所となる。
室戸岬灯台
最御崎寺の奥に室戸岬灯台がある。太平洋を望む高台に立つ白亜の灯台で「日本の灯台50選」に選ばれている。
土佐くろしお鉄道 ごめんなはり線
奈半利から再び鉄道が併行する。
ごめんなはり線田野駅と一体となった道の駅 田野駅屋に立ち寄る。
吉良川の町並み
吉良川町まで戻り、国の重要伝統的建造物群保存地区を歩く。明治期に建てられた漆喰壁の商家や水切り瓦の蔵が立ち並ぶ懐かしい町並みが広がる。漆喰の塗屋造りと呼ばれる町家建築の二階部分に、縦に格子状に開口部を設けた虫籠窓(むしこまど)のある家が並んでいる。
行当岬 新村遊歩道
行当岬の海外沿いには遊歩道が整備されている。約4000万〜3500万年前の深海の地層を間近で観察することができる。
- 地殻変動により湾曲した岩
- 地殻変動により湾曲した岩
- 地殻変動により湾曲した岩
- 地殻変動により湾曲した岩
- 地震でできた海底の地層の割れ目に、液状化した砂が侵入し固まった砂岩岩脈
- 漣痕は水の流れによって海の底に描かれた模様
- 二枚貝などの生物が海底を動き回った跡
津照寺
津照寺(しんしょうじ)は四国八十八ヶ所霊場の第25番札所で、室津川の河口と室津港を見下ろす小山の上にある。
かもだ岬温泉
本日の宿は四国最東端の蒲生田岬にあるため日没前に着きたい。かもだ岬温泉(旧:船瀬温泉)は蒲生田岬の手前にあり、四国最東端の温泉である。周辺では1960年代に原子力発電所の建設計画があったが後に撤回されている。
蒲生田岬に1軒だけある民宿で、地元の獲れたて新鮮な海の幸をふんだんに使った料理でもてなしてくれる。シラウオの躍り食いは初めての体験であったが非常に美味である。
2017年3月20日(月)晴れ後曇り
鴨田岬
日の出前に鴨田岬へ向かった。瀬戸内海紀伊水道に突き出た四国最東端の岬である。岬付近はアカウミガメの上陸産卵地でもあるという。階段の上に灯台がある。
日の出
東の空が赤く染まり辺りがだんだんと明るくなる。何度見ても感動の光景である。
鴨田岬灯台
紀伊日御碕灯台と並んで瀬戸内海の東側の入口を表示している灯台である。
蒲生田園地
蒲生田大池は亜熱帯植物群落として知られている。
鴨田岬から鳴門を目指す途中で「道の駅 公方の郷なかがわ」に寄ってみた。ワカメなどの海産物などを購入した。
大塚国際美術館
最後は四国の玄関口鳴門にある大塚国際美術館に立ち寄った。大塚製薬グループの陶板名画美術館だが、特筆すべきは「原画作品は1点もなく全て複製品である」という点。大塚オーミ陶業の特殊技術により、古代壁画から現代絵画までオリジナル作品と同じ大きさに精密に複製している。これにより日本にいながらにして世界の名画を体験できるのである。館内は広大で鑑賞ルートをたどるだけで約4kmある。
帰宅
大塚国際美術館を後にして鳴門にある「魚大将」で夕食にした。