キリンビール取手工場のハートランドツアー
麒麟麦酒(キリンビール)のプレミアムブランド「ハートランドビール」の工場見学に参加した。キリンビールの工場は北海道から九州まで全国9ヶ所(2019年現在)に存在するが、ハートランドビールを製造しているのは取手工場だけである。
2019年12月14日(土)晴れ
キリンビール取手工場
ビール工場の立地は一般的に市場指向型であり輸送費が安価な大都市近郊に多いとされる。茨城県にはキリンビールとアサヒビールの工場があり、いずれも生産規模では全国最大級を誇る主力工場である。キリンビール取手工場の操業開始は1970年。かつては常磐線からの取手工場への専用鉄道が存在したが現在はトラック輸送となっている。
ハートランドツアーは事前申込みのみで定員20名となっている。受付で確認を済ませて開始時間を待つ。そもそもキリンビールの主力製品は「一番搾り」であり「ラガービール」である。それでもあえて「ハートランド」というブランドを育てるのにはキリンのこだわりがあるようだ。
今回参加したきっかけは店頭でハートランドビールに目がとまったからである。他のビールと一線を画す、ラベルがなくエンボス加工が施された瓶。切れ込みで示された賞味期限等…。見れば見るほど謎ブランドである。しかし口当たりの良い飲みやすいビールであった。
ツアーはハートランドビールの紹介から始まった。ハートランドビールは「素(そ・もと)」をコンセプトにして1986年に誕生したブランドである。原料は麦芽100%、アロマホップ100%。本物志向のファンによって口コミで広がっているそうである。
醸造工場に移動して麦芽の味とホップの香りを実物で体感。仕込は原料を煮込んで麦汁を造る工程である。
もろみをろ過した最初に出る汁が「一番搾り麦汁」だ。ここでは一番搾り麦汁と二番搾り麦汁の違いを試飲で確かめられる。一番搾り麦汁は甘みが強く、二番搾り麦汁は苦みが強い。
ここからはバスに乗って醸造タンクを見学し、さらにパッケージング工程の見学へと進む。ただし土曜日は休業日のためラインが稼働していない。
工場見学が終わった後はビールの試飲が待っている。今回はジョッキと瓶とグラスビールの3種類。それぞれに風味の違いを感じる。
現在は瓶と樽のみのハートランドだが、1987年から1991年にかけて缶ビールの販売が行われていた。試飲時間中には、すでに販売終了となった幻の缶ビール(普段は金庫に保管しているらしい)も見ることができる。