紅葉の湖南三山と陶芸の里・信楽
滋賀県の湖南三山と陶芸の里・信楽を訪ねた。湖南市にある国宝を有する3つの寺院は湖南三山と呼ばれており、特に紅葉の時期には多くの人々が訪れる。また信楽では登り窯や窯元の見学なども楽しんだ。
2015年11月21日(土)晴れ
常楽寺
常楽寺は天台宗の古刹で、近くの長寿寺が東寺と呼ばれるのに対して西寺と呼ばれる。境内は一般公開されていないが、11月のみ特別公開される。
国宝の本堂は南北朝時代の1360(延文5)年に火災により焼失し、同年再建されたものである。内部には秘仏本尊の他、風神・雷神の像や二十八部衆の立像が並ぶ。しかし風神と魔喉羅迦王の像は盗難に遭い、まだ戻っていない。
本堂の後ろに見える三重の塔も国宝指定されている。こちらは1400(応永7)年頃に建立されたとされる。
札所巡り
三重塔・本堂の周りには裏山の斜面に沿って遊歩道があり、三十三体の観音石仏が祀られている。全てをお参りすると近江西国三十三所観音巡礼したのと同じだけのご利益があるそうな。第15番と第25番を抜かしてしまった。
- 第1番・第2番・第3番・第4番
- 第5番・第6番・第7番・第8番
- 第9番・第10番・第11番・第12番
- 第13番・第14番・第16番・第17番
- 第18番・第19番・第20番・第21番
- 第22番・第23番・第24番・第26番
- 第27番・第28番・第29番・第30番
- 第31番・番外
長寿寺
常楽寺の西寺に対して東寺と呼ばれる天台宗の古刹である。秘仏本尊の地蔵菩薩像が安置されている本堂は鎌倉時代のもので国宝指定されている。
善水寺
善水寺も天台宗の寺院で、南北朝時代に建立された宮殿風の本堂は国宝に指定されている。本堂は内陣についても拝観可能。境内には清水が湧き出ており、古くは桓武天皇の病を癒したとも伝えられる。
不動明王尊
善水寺の西側の山中には磨崖不動明王尊がある。崖に仏像が彫刻されたもので、高さ620cm、幅198cmの大きな磨崖である。江戸時代の作とされる。
近江八幡
近江八幡市内に入り、めん房逢味庵で昼食。道路の向かい側には和菓子のたねやがある。
新町通り
近江八幡はもともと豊臣秀吉の甥の豊臣秀次を城主とする八幡山城の城下町として建設されたが、徳川時代になったことで八幡城は10年余で廃城となる。しかし廃城後も商業都市としては衰退することなく、後の近江商人へと繋がる八幡商人が生まれることとなる。新町付近に古い町並みが残っているが、これは江戸時代末期から明治にかけて近江商人の居宅として建設されたものである。
八幡堀
さらに進むと八幡堀に出る。八幡堀は安土桃山時代に造られた水路で、市街地と琵琶湖が繋がったことにより近江商人の繁栄をもたらしたとされる。堀の両側に立ち並ぶ土蔵はその歴史を今に伝えている。昭和30年代には生活排水などによる水質汚濁が進んだが現在は改善している。和舟に乗って水郷めぐりも良さそう。
日牟禮八幡宮
日牟禮八幡宮は八幡山の麓にある神社で、平安時代の創建とされる。
白雲館
池田町洋館街
新町通りから池田町洋館街へ向かう。途中にある八幡小学校は創立142年の歴史ある学校だ。学校の近くに建ち並ぶ洋館はウィリアム・メレル・ヴォーリズ(William Merrell Vories)の設計によるもので、現存するのは旧ウォーターハウス邸、旧吉田邸、ダブルハウスの3棟である。ヴォーリズは八幡YMCA(キリスト教青年会)や近江兄弟社など多くの事業を興し、幅広い分野で近江八幡の近代化に貢献した。
瀬田の唐橋
琵琶湖の南部、瀬田川に架かる橋が瀬田の唐橋である。京都へ向かう交通の要所という地理的な条件から、かつては「唐橋を制するものは天下を制する」と言われた。現在架かる橋は1979年に建設されたコンクリート橋だが、欄干などが往時を偲ばせるデザインとなっている。
大津市にあるニューびわこホテルに宿泊。地下1500mから汲み上げた微量の自然放射能を含む「古琵琶湖ラドンの湯」で寛ぐ。
2015年11月22日(日)晴れ
信楽
陶芸の町で知られる信楽を訪れる。全国的には「たぬきの置物」が有名で、町のいたる場所にたぬきがいる。しかし信楽のたぬきの歴史は以外と浅く、大量に造られるようになったのは昭和時代になってからである。
新宮神社
信楽の窯元
信楽ならではの窯元巡りが楽しい。窯元巡りの前には信楽伝統産業会館で信楽焼の歴史を知ると良い。信楽焼は、決してたぬきの置物だけではないのだ。現在のような信楽焼が作られ始めたのは平安末期から鎌倉時代初期とされる。当初は常滑焼きの影響を受けたものであったが、次第に独自色を強めていった。室町時代になると茶人により茶陶として使われるようにもなった。
- 信楽伝統産業会館
- ろくろ坂、ひいろ壺坂、壺場坂には道路に信楽焼の敷石がはまっている
- ろくろ坂 ペンギン
- 役目を終えた登り窯 ギャラリー&カフェ「Ogama」
- 火鉢の山
- ペンギンの行進
- ピーナツみたいな焼き物 水道の栓
- ひいろ壺坂 登り窯(丸由窯)
- 谷寛窯 ギャラリー陶ほうざん
- お願いたぬき
- たぬきが整列
- 丸又窯
- 丸又窯
- 窯場坂 山兼製陶所 陶房準
- 案内役のお地蔵さま
- 窯元散歩道の柱
- ○の広場のたぬき
- 地蔵堂
- 犬とポスト
- かつて滋賀県の南東に存在した町、現在は甲賀市信楽町
- たぬき
- 信楽川沿いには信楽焼の陶器が並ぶ
- 陶器店の店先にはたくさんのたぬき
楽斎窯
信楽駅と信楽鐵道
信楽の最寄り駅は信楽鐵道の信楽駅である。2013年の台風被害により運休が続いていたが、2014年に復旧した。
信楽駅前にあるこぢんまりとしたお蕎麦屋さん「そば処 山久」で昼食。
玉桂寺
信楽駅の隣駅にある玉桂寺に立ち寄る。玉桂寺は高野山真言宗の寺院である。境内には高さ13mという大不動明王が立っている。裏山には八十八ヶ所霊場札所めぐりがある。
- 玉桂寺
- 一願成就大不動明王
- コウヤマキ(高野槙)は滋賀県の天然記念物
- 玉桂寺阿弥陀堂
- 玉桂寺本堂
- 玉桂寺八十八ヶ所霊場札所めぐり入口
- 弘法大師空海ゆかりの八十八の札所を、玉桂寺敷地内の地蔵めぐりで礼拝出来る
- 吊り橋
甲賀流忍術屋敷
続いて訪れたのは甲賀流忍術屋敷である。忍術屋敷は甲賀流忍者五十三家の筆頭格・望月出雲守の旧邸として元禄年間に建てられたもので、屋敷の随所にからくりが施されているのが特徴。希望すれば手裏剣投げや忍者体験もできる。建物内には忍術の伝書や忍者が用いた武器、道具などが展示されている。他にも売店では甲賀忍者秘伝の飲料「健保茶」なるものが販売されている。
- 甲賀流忍術屋敷(甲賀望月氏本家旧邸)
- 手裏剣道場
- 落とし穴
- 縄梯子
- からくり窓とどんでん返し
- どんでん返し
- かくし梯子を使って二階へ上がる
- 二階から梯子を引き上げると全く孤立した空間となる
- 三階も二階と同様、梯子を引き上げると全く孤立した空間となる
- 三階から一階まで逃げるための縄梯子
- 二階から降りる梯子
- 忍者の服装や道具類
- 道具
はなぶさ
最後は甲賀市土山町の国道1号線沿いにあるお寿司屋さん「はなぶさ」で夕食。
水口町、土山町、甲賀町、甲南町、信楽町が合併(2004年10月)して甲賀市となった。