いざ出雲国へ。日本海沿いに山陰道をゆく
出雲大社を皮切りに山陰本線・国道9号に沿うように東へ。松江城、宍道湖を観光し境港では水木ロードめぐりを楽しむ。ちょうど台風接近のため天候が悪化しつつあったが、鳥取砂丘を歩くことも出来た。台風は各地に爪痕を残したものの、翌日には天気が回復したため丹後半島・伊根の舟屋へ。天橋立では日本三景と称される景色を眺めた。
2013年9月14日(土)晴れ
旧大社駅
朝、出雲の旧大社駅に到着。かつては出雲大社への参詣客の玄関となっていたが、廃線。現在は駅舎と線路の一部が残っている。出雲大社の玄関駅にもふさわしく重厚感の際立つ駅舎である。
出雲大社
正式には「いずもおおやしろ」と読むらしい。参道前の駐車場から大鳥居をくぐり坂を下りると松の参道が見えてくる。今年はちょうど平成の遷宮にあたり、60年に一度の行事が行われている最中である。
坂を下り祓橋(はらいのはし)と言われている太鼓橋を渡り、三の鳥居(松の参道の鳥居)をくぐると松の参道がある。参道は松並木によって真ん中と両側の三つに分かれている。以前は殿様や皇族の方だけが真ん中を通ることが許されていたと言う。今回は松の保護のため通行禁止になっていた。
- 松並木がお出迎え
- 右手には主祭神の大国主大神像
- 銅鳥居の奥には拝殿が見える
- 拝殿
- 注連縄の長さ6.5m、重さ1t
- 二重亀甲に剣花角の紋様は他にないという
- 巨大な宇豆柱跡とされる
- 八足門(やつあしもん)奥に見えるのが本殿
本殿の外側を歩くと本殿とその屋根が垣間見える。前日の予報では雨の予想だったが一転して晴れて気温が高くなってきた。
出雲大社を後にする頃には、さらに多くの参拝者がひっきりなしに訪れ賑わいを増しているようだった。
日御碕
島根半島西部に位置する日御碕へ。世界の歴史的灯台100選に選定された白亜の灯台・出雲日御碕灯台がそびえている。海食台と言われる地形は奇岩が続く断崖絶壁であった。
宍道湖北岸
日御碕から松江城へと向かう。ちょうど宍道湖の北側に当たり、一畑電車北松江線が並行して走っている。
松江城
県庁から松江城まで歩く。県庁の建物は松江城の旧三ノ丸に位置している。松江城は江戸時代に松江藩の藩庁となり明治維新とともに廃城となったが、天守が現存しており、江戸時代初期の建築をとどめている。
天守閣の中に入る。天守閣は5階造りになっており階段で上ると全方向の展望が開ける。明治維新の際には天守閣以外の建物が取り壊されたものの、天守閣は取り壊しを免れたのだという。
- 板の厚さ(約10cm)階段の幅(1.6m)
- 地階(穴蔵の間)は、籠城用生活物資の貯蔵倉庫
- 柱は肥え松の一本の柱の外側に板を揃えて寄せ合わせ、これを金輪で締めて太い柱が作られている
- 天守閣最上階の望楼、松江市内と宍道湖
- 天守閣最上階の望楼
- 1階に展示してある鎧と兜
- 外から見た石落し
- 日本さくら名所100選に選ばれた桜の名所
松江城から護国神社の脇を通り塩見縄手へ向かう。
塩見縄手
松江城北側の堀沿いは塩見縄手と呼ばれ、松江市伝統美観指定地区に指定されている。松江藩老中「塩見小兵衛」の屋敷がこの通りのほぼ中央にあったことが名前の由来らしい。武家屋敷が立ち並ぶ中にはこの地に縁のある小泉八雲の記念館や旧居がある。
堀川めぐり
お堀をぐるりと一周する遊覧船に乗船。全部で17カ所の橋をくぐるが、そのうちの4カ所では橋の高さが低いため船の屋根を下げなければならない。船の屋根を下げるときは頭を下げて通過する。乗船して内堀を進み、途中で外堀に出る。一周すべて乗船すればおよそ50分だが今回は大手前で下船した。ちなみに乗船券は一日有効で何度でも乗り降り自由。
- 松江堀川ふれあい広場・乗船所
- 外堀、左前方に松江赤十字病院
- 外堀、この辺りは川幅が狭くなっている
- 北堀橋手前、松江城が見える
- 北惣門橋、外堀から内堀に入る
- 松江歴史館
- 市内を走るバス
- 松江市のマンホール
玉造温泉と宍道湖
続いて宍道湖の南側にある玉造温泉へ。玉造国際ホテルで立ち寄り湯。日没までだいぶ時間もあるので、今回は宍道湖に沈む夕日を眺めることなく宍道湖を後にした。本日は北浦海水浴場にある民宿横浜に宿泊。
2013年9月15日(日)曇りのち雨
早朝、北浦海水浴場を散歩。宿の前が漁港になっており、船が係留されているが何隻かの漁船が漁に出ている。防波堤の上からは遠くに半島の先端が見える。
境港 水木ロード
中海を右手に眺めながら島を経て、大橋を渡って鳥取県境港市へ。境港駅前に続く水木ロードには、水木しげる氏が描く漫画ゲゲゲの鬼太郎に登場する妖怪の像が設置されている。鳥取県内でも有数の観光地となっているそうで、水木ロードを散策中も人通りが絶えることはなかった。
- 境港駅前
- 河童の三平・タヌキ・カッパ/鬼太郎ポスト
- 境線の終点・境港駅
- 妖怪に混ざって水木しげる先生執筆中の像/水木しげる夫妻
- 水木しげるロードも20周年、タクシーの屋根にも目玉おやじ
- 至る所に妖怪
- ぬっぺっぽう/がしゃどくろ/傘化け
- はるばる岩手からやってきた「水木しげるデザインバス」
- 鬼太郎交番
- エキスポールのヘッドにも妖怪
- ゲゲゲの鬼太郎の塔
- 鬼太郎(小便小僧)、カッパ、タヌキ、河童の三平、悪魔くん、小豆洗い、さざえ鬼、岸涯小僧(がんぎこぞう)、ねずみ男
- 河童の泉
- 隠岐へ向かう鬼太郎親子と水木先生/砂かけ婆
- 水木ロードの一本裏通り、ゲゲゲすじにある妖怪倉庫
- 妖怪神社と手作りの妖怪グッズがいっぱいのお店
- 妖怪と一緒に写真を撮ろう
- ねずみ男/一つ目小僧/こなき爺(こなきじじい)
- 妖怪絵タイル
- 日本を代表するお土産なのかどうか
- 水木しげるロード
- 水木しげる記念館
- のんのんばあとオレ/鬼太郎(赤ん坊)とお父さん
- 水木しげるロード
- 妖怪に暗証番号を聞かれても教えないように
- 家獣/シーサー
- ねずみ男/のっぺらぼう/かみきりと一反木綿
- 鬼太郎/鬼太郎のゲタ/目玉おやじ
- 頭上にも
- 鬼太郎と一反木綿、目玉おやじも…
- 妖怪の壺に入った地酒や妖怪の名前がついたお酒
- 鬼太郎・目玉おやじ、トイレ案内にも…
- 一反木綿があちこちに
- 猫娘/ぬりかべ/河童
- 水木しげる先生顕彰像
- 豆腐小僧/大かむろ/口裂け女
- 境港市
- 汚水蓋「鬼太郎」シリーズ全7種類
境線 イラスト車両
境港から鳥取砂丘
鳥取砂丘
日本を代表する砂丘、鳥取砂丘(東西16km、南北2km)を歩く。海岸から続く砂浜の一部が丘になっているような感じである。ラクダに乗って散策が出来るのだが今回は雨のためらくだはお休みのようであった。砂丘と言えば風紋を思い浮かべるが別名「砂のさざ波」といわれ、風速5~6mの風が乾いた砂丘を吹き抜けるときにできる。
- 奇麗な風紋が出来やすい場所
- 入口周辺と中央あたりに植物群落が見られる
- 第3砂丘列を進む
- 第2砂丘列・馬の背を目指す
- 馬の背手前(追後スリバチ)にも植物群落が見られる
- 馬の背から海岸までの急斜面
- 裸足で歩く人も
- 海浜植物・ハマゴウ
- 鳥取県福部町・汚水蓋
余部
地上高くを横断する余部橋梁が見えたので立ち寄ってみた。「余部鉄橋」として知られた鉄橋であるが、2010年に現在のPC橋へと架け替えられている。
この頃から雨足が強くなってきた。台風接近のため風も強いので早めに切り上げる。本日は夕日ヶ浦温泉の旅館かとう別館に宿泊。台風18号が明日未明、東海から関東地方に上陸するため近畿から日本海にかけ広い範囲で大雨になる恐れがあるといい、夜も雨が降り続く。
夕日ヶ浦温泉
2013年9月16日(月)晴れ
昨日からの雨は収まったが、まだまだ風は強い。台風18号は関東を通過中のようだ。台風の影響もあり今日の予定は取りやめ、とりあえず宿泊地まで向かうことにした。
丹後由良
天橋立駅を経て丹後由良温泉へ。強風のため北近畿タンゴ鉄道宮津線は終日運休である。さいわい通行止めなどの影響を受けずに到着した。本日は旅館芳月に宿泊。
近くを流れる由良川の水量が増えており、上流では氾濫している場所もあった。その河口にあたる由良海水浴場に押し寄せる波は、普段はコバルト色の綺麗な海水のはずだが、濁流となり流木が流れ着き、山のようになっていた。
- 打ち寄せられた流木など
- 川岸がよくわからない
- 一面に泥水
- 国道178号の由良川沿いには冠水する場所も
- 丹後由良駅はヨットの帆をイメージした駅舎
- 列車は終日運休
- 終日運休のため錆始めてきた
- 旅館芳月
- アワビの陶板焼き/黒毛和牛の陶板焼き
- 湯らゆら温泉・天然ラジウム温泉
2013年9月17日(火)晴れ
早朝、波も少し収まったようなので近くの様子を見てみることにした。
伊根の舟屋
前日の通行止めも解除されたと言うことで丹後半島北東部に位置する伊根湾へ。丹後半島の伊根湾には海岸沿いに舟屋と呼ばれる伝統的な民家が建ち並んでいる。1階に船を収納できるスペースがあり、海上から見ると海面すれすれに建っているように見える。
伊根湾に沿って230軒あまりの舟屋が立ち並ぶ舟屋群が見える。陸地からではなかなか味わえない舟屋の風景が広がる。
伊根湾遊覧船めぐりの後、伊根湾と舟屋群が一望出来る、高台に建つ「道の駅 舟屋の里伊根」へ行ってみた。
新井の千枚田
美しい海岸線を見下ろす急斜面に連なる棚田だ。日本海がキラキラと輝いている。
天橋立
元伊勢籠神社の駐車場に車を駐め、神社を参拝後ケーブルカー乗り場「府中駅」へ向かう。
傘松公園
天橋立の北側に位置する傘松公園は古くから天橋立を望む絶好のスポットとなっており、阿蘇海(手前)と宮津湾を分けるかのように文珠方面(天橋立駅方面)に伸びている。展望スポットも何カ所(大内峠、天橋立ビューランド、栗田峠)かありそれぞれに違う趣が味わえるようだ。傘松公園へはケーブルカーとリフトが並行して運行されているので上りと下りで違えて乗車してみた。
由良川橋梁
日本海沿岸を東へ
金沢駅
辺りも暗くなってきたが金沢に立ち寄ることにした。