紅葉の栗駒山登山と奥松島嵯峨渓クルーズ
2016年10月1日(土)晴れ
栗駒山登山
宮城・岩手・秋田の三県にまたがる栗駒山(1626m)は、全山紅葉の山として知られ、9月下旬から10月中旬頃に紅葉シーズンを迎える。今回は、いわかがみ平登山口から東栗駒山を経由して栗駒山に登り、中央コースを下山するルートを選んだ。東栗駒コースの登山道は前半は沢筋を辿るので、特に降雨後は泥濘となり歩きにくい。
登山路を50分程登ると新湯沢の渡渉地点に出る。雨の後は水量が多く危険なこともあるようだが、今回は危なげなく渡ることが出来た。
新湯沢から急な登山道を登り東栗駒山の稜線に出ると一気に視界が開ける。
紅葉の登山路を行くとやがて岩山が見えるが、東栗駒山はこのピークを越えた先にある。
東栗駒山
東栗駒山(1433m)の山頂には小さなケルンが積まれている。正面にこれから登る栗駒山の美しい姿が見える。
東栗駒山を後にし稜線上に緩やかに続く登山路を進む。振り返ると東栗駒山稜線の紅葉が美しい。
東栗駒・裏掛分岐からいよいよ栗駒山の登りにかかる。
栗駒山山頂
栗駒山(1627m)の山頂に着いた。木製の標識が建てられているだけで他に遮るものがないため眺望は素晴らしい。全山が紅葉しており栗駒山が日本有数の紅葉の名所だというのも頷ける。
下山路
栗駒山頂からの素晴らしい眺望を堪能した後、中央コースでいわかがみ平まで下山することにした。このルートは往路の東栗駒山コースと比べると単調で面白みに欠けるものの、歩き易いので短時間で下山できる利点がある。
駒の湯温泉
いわかがみ平駐車場に戻り駒の湯温泉に向かう。温泉は県道から山道に入り1km程下った奥にある。駒の湯温泉は開湯400年の歴史ある旅館だったが、不幸にも2008年の岩手・宮城内陸地震で発生した土石流に飲み込まれ壊滅してしまった。その後旅館の再建は叶っていないが、奇跡的に助かった関係者の努力で2015年に日帰り温泉施設として再開された。現在の温泉は地震後に再び湧き出した源泉で湯温は低め。3~4人の小さな浴槽のみの施設のため訪れる客も多くはないようだ。20年程前に当時の「元湯駒の湯」に宿泊したことがあり、宿泊客で賑わっていた頃を思うと寂しい限りである。掛け流しの弱酸性温泉に浸かり、そばカフェで名物の十割そばを食べた。
行者滝
駒の湯温泉から県道に戻り少し走ると道路脇に行者滝がある。その昔、栗駒山は山岳信仰の山で、行者や参拝する人がこの滝で身を清めてから、栗駒山の「御室」にある駒形根神社奥院にお参りしたそうである。高さ30m程の滝は水量が豊富で年中枯れることがない。
奥松島の宮戸島月浜に向かい、今日の宿泊先である民宿「新浜荘」に着いた。
2016年10月2日(日)晴れ
今年7月に嵯峨渓の遊歩道を歩いたので、今回は遊覧船で海上から嵯峨渓めぐりをすることにした。
嵯峨渓クルーズ
奥松島の嵯峨渓は、岩手県の猊鼻渓、大分県の耶馬渓と並ぶ日本三大渓の一つである。太平洋の荒波と風雨で荒々しく削られた岩々は様々な形となって独特の景観を見せる。峨渓コースは遊覧船で嵯峨渓の見どころを巡る1時間のクルーズである。遊覧船は定員17名の小型船であるが、客は5人でほぼ貸し切り状態である。
太平洋の海水が常に循環し栄養豊富な東松島の海はカキにとって最適な環境で、カキ養殖の種苗となる種ガキの生産が盛んである。種ガキは海中に放出されたカキの卵をホタテの殻に付着させ、専用の棚に吊るして育てられ全国に出荷されている。
やがて船は細い水路を通って松島湾から外洋に出る。船長さんがガイド役になり嵯峨渓の景色や奇岩などの説明をしてくれる。
船は二つ並んだ島の間を通過する。岩肌が黒く荒々しい印象の「男島(おじま)」と、岩肌が滑らかで色白な印象の「女島(めじま)」で、合わせて「夫婦島(めおとじま)」と呼ばれている。
アシカのような形の「アシカ岩」と「みさごの島」が見えてきた。みさごの島の名はタカ科の鳥ミサゴが魚を捕食しながら島の頂上に巣づくりをしているのが由来のようだ。みさごの島は以前は左右の岩がアーチ状に繋がっていたが、震災でアーチ部分が崩落し形状が大きく変わってしまった。
- アシカ岩(左)みさごの島(中央)
- アシカ岩
- みさごの島
- メガネ崎
- メガネ崎の「象の鼻」
- 根が岩に張り付いた「足長松」
- 「日本地図」のように見える岩壁
- 亀のような形の岩
- 荒波で浸食された洞
- 天狗岩
- 青の洞窟
- 潮だし洞
- 灯台のある「波島」
- 萱野崎
- 萱野崎の先端
船は嵯峨渓の先端の「萱野崎」でUターンし帰路につく。往路は嵯峨渓の景色や奇岩を見ながら岸沿いをゆっくりと運航したが、復路は岸から離れ外洋をほぼ一直線に運航する。船足もかなり速く快適だ。途中、船長さんから「スナメリ(イルカの一種)が見えるよ」とアナウンスがあったが見逃してしまった。
嵯峨渓クルーズの後は農産物直売所に寄りながら、みちのく杜の湖畔公園に向かった。
みちのく杜の湖畔公園
「みちのく杜の湖畔公園」は宮城県柴田郡川崎町の釜房ダム湖畔にあり、東北地方唯一の国営公園である。釜房ダムの周辺整備事業として広大な河川敷に球技広場や水の広場などの施設が作られ、平成元年に公園の一部62haが開園した。その後「文化と水のゾーン」「健康と緑のゾーン」「森と環境のゾーン」「湖面・湖畔のゾーン」の全ての整備を終え、平成26年に全園開園し面積は647.4haにも及んでいる。
公園内のお花畑には季節の花が植えられ、秋にはコスモスがお花畑一面を覆いつくす。訪問時には丁度キバナコスモスが見頃を迎えていた。
水のひろばには6,700㎡の大きな池「やすらぎの池」があり、池の中には500株ほどのスイレンが植えられている。
ふるさと村にはみちのくの暮らしや文化を伝える古い茅葺の民家が東北六県から移築されている。
だんだん畑にはコキア(ホウキグサ) が植えられているが、紅葉はもう少し先のようだ。
時のひろばは、かつて東北地方が中心だった縄文文化の土器の模様をモチーフに、63個の巨石が巨大な渦をつくり、中心には北海道留萌産の本物のアンモナイトの化石が据えられている。
帰路、鳥の海ふれあい市場で買物。食事処「魚屋hide」は食材が終了とのこと、結局、亘理の「味ざんまい」で食事して帰宅した。