春の日本アルプス巡り
「日本の屋根」と呼ばれ、本州の中央部に標高3,000m前後の山々が連なる日本アルプス(南アルプス・中央アルプス・北アルプス)。その雄大な山々を眺めながら日本海へ向かう。山梨の桃源郷や名桜のふるさとを訪ね、この時期ならではの花景色を堪能した。
2013年4月13日(土)晴れ
桃源郷
中央自動車道韮崎インターチェンジを降り新府桃源郷を目指す。途中で緩やかな坂道から急カーブにさしかかったその時、正面に真っ白い富士山が姿を現す。坂道を上りきるとピンク色の桃の花が一面を埋め尽くしていた。朝の陽の光を受けてオレンジ色に近いピンク色に染まる光景はなかなかのもの。
真原桜並木
山梨県北杜市にも名桜が数多くあり、日本三大桜の一つ「山高神代桜」も有名である。今年の見頃は例年よりも早く(4月4日頃)今回は残念ながら一足遅かった。しかし、その他にも見頃を迎えた桜の名所を幾つか周り、南アルプスや八ヶ岳を背景に咲き誇る桜を眺めることができた。
三代校舎
真原桜並木からはだいぶ離れるが三代校舎に立ち寄る。明治・昭和・大正の三世代の校舎が並び、校庭には桜が咲き「いつも見ていた光景…」と思わず懐かしさを覚える学校の風景がそこにはある。近代西洋風木造建築の明治校舎は須玉歴史資料館、大正校舎は蕎麦打ちやほうとう作り、農業などの各種体験施設、昭和校舎はイタリアンレストラン・宿泊施設を備えた「おいしい学校」となっている。
続いて清春芸術村へ向かう。その途中、桜が奇麗に咲いている場所があったので立ち寄ってみた。長坂町では地元の方達のとっておきの場所があるようだ。
清春芸術村
清春芸術村は廃校になった清春小学校の跡地にある。大正14年(1925)3月、小学校の落成を記念して生徒たちによって植樹されたソメイヨシノ(染井吉野)が桜の名所として今も残っているのである。芸術村にある丸い建物 ラ・リューシュ(蜂の巣)は1900年に開催されたパリ万国博覧会のワインのパビリオンとして建設されたものである。その後モンパルナスに移築、アトリエに改装され通称ラ・リューシュ(蜂の巣)と呼ばれ、若き日のシャガール、スーチン、モジリアニなどの巨匠たちが住んでいた所として有名となっている。現在はパリ市の記念建築物として保存されている。その建物を模して清春芸術村に再現されたのである。
神田の大イトザクラへ向かう途中で見つけた小淵沢のマンホール。現在は北杜市(小淵沢)になる。
神田の大イトザクラ
神田(しんでん)の大イトザクラは樹齢400年のエドヒガンザクラの変種と言われ、甲斐駒ヶ岳、八ヶ岳を背景に田んぼの真ん中に一本たたずむ桜である。
小淵沢の大カーブ
常に八ヶ岳をバックに走る小海線だが、ここでは南アルプスをバックに走るのである。田んぼに水が張られた頃また訪ねたい。
大王わさび農場
わさび田は直射日光を避けるため4月から9月末まで寒冷紗(かんれいしゃ)で覆うのだが、まだ覆われていないようなので立ち寄ってみた。鮮やかな緑のわさび田を見ることが出来た。おみやげにはワサビが最適。
白馬村 大出公園
ちょうど白馬村を通るので大出公園から白馬連峰を眺めることにした。お決まりの場所ではあるが、時間の余裕があるときは大出公園に立ち寄って季節の変化を感じることにしている。
長者温泉
本日の宿泊は長者温泉ゆとり館である。売店には採れたて地元農産物が並び楽しみの一つ。今回は沢山のこごみを仕入れることが出来た。宿の周辺では土筆が顔を出していたので少し摘んできた。
2013年4月14日(日)晴れ
神道山公園
神道山はジオサイトの一つであり「かたくり」の名所として知られているという。山頂までは北陸一を誇る1088段の石段が続き、山頂には彼方此方にカタクリが咲いていた。見頃の頃は足の踏み場もないくらいのカタクリで埋め尽くされるようだが、この日もそれなりに沢山の花が見られた。
能生インターチェンジから北陸自動車道に乗り、西山インターチェンジで降りて国上山へ向かう。今年はユキワリソウの開花が少し遅かったようで「まだ見られるかもしれない」というわけで行ってみた。
国上山
国上山の散策コースを歩く。ちょうど雪割草が見頃を迎えていた。
道の駅 国上では月に2回、蕎麦粉100%の蕎麦が普通のざるそばの料金で食べられるのだが、4月14日はちょうどその日であった。ちなみに、ここでは冷たい蕎麦を「涼感そば」といい、良寛ゆかりの地らしいと感じた。
帰りは磐越自動車道経由で、途中の新三川温泉で立ち寄り湯をしてから帰路についた。