陸奥の世界遺産と鳥海山山麓
1年振りの東北地方訪問である。世界遺産・中尊寺と毛越寺を訪ね、厳美渓から小安峡へまわり鳥海山山麓へ。雪渓の鳥海山を眺めながらの軽いトレッキングを楽しむコースであったが、鳥海山は雲の中で残念であった。ただ、この時期は山菜が豊富で嬉しい限りである。
2012年6月23日(土)曇りのち晴れ
長者原SA
東北自動車道を北へ。長者原SAには、駐車場脇にある階段を上った所に遊具が整備された公園があり、右手にはドッグランも併設されている。公園で可愛い椅子を発見!童謡「げんこつやまのたぬきさん」「なべなべ」「しまおしくら」「ちゃつみ」「おちゃらか」の歌詞が椅子に書いてあり見ていると自然に口ずさんでしまう。奧にある展望広場からは化女沼(けじょぬま)が見渡せる。
中尊寺
世界文化遺産登録から1年、なかなか訪れる機会が無かった中尊寺を訪ねた。早朝は人影もまばらで、静かな杉木立の参道に足を踏み入れれば周囲は静寂そのものである。境内には「いろはもみじ」が多く秋の紅葉狩りはまた見事であろう。やがて境内を歩いているうちに団体の観光客の姿も目立ってきた。奥州藤原氏ゆかりの寺であり金色堂には藤原清衡、基衡、秀衡の遺体が安置されている。総金箔貼りの金色堂は1960年代に解体大修理が行われ、ほぼ建立当時の姿が復元されたという。 現在は覆堂と呼ばれるコンクリート造りの建物で覆われており、風雨から守られているそうである。しかし堂全体が金色に輝くあまり、堂内に安置されている仏像はやや目立たない趣である。
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- 金色堂覆堂
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- 早朝の中尊寺駐車場
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- 参道の入口
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- 緩やかな登りの参道を進む
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- 杉木立の参道
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- さらに奧へと続く杉木立の参道、樹齢300~400年ほどの杉
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- 八幡堂
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- 月見坂を進む
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- 弁慶堂
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- 細かい彫刻
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- リラックマの絵馬
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- 東物見から弁慶堂を望む
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- 地蔵院
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- 薬師堂(瑠璃光院)
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- 地蔵堂
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- 中尊寺本堂
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- 早朝の参道は人もまばらで静寂そのもの
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- 不動堂
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- 峯薬師堂
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- 水面に映る峯薬師堂
拝観時間(8:30~17:00)の少し前に金色堂覆堂入口に到着。国宝建造物第1号の金色堂をゆっくりと拝観する事が出来た。
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- 金色堂覆堂
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- 金色堂覆堂出口と芭蕉翁句碑
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- 国宝の一切経を納めていた建物 (重文)
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- 金色堂を風雨から守ってきた堂 (重文)
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- 釈迦堂から降りる木の根の階段
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- 中尊寺の鎮守・白山神社
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- 白山神社能舞台 (重文)
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- 観光客がぞろぞろと…
GPSログ
出発時刻: | 8:17:10 |
到着時刻: | 9:23:19 |
合計時間: | 1時間06分09秒 |
合計距離: | -5860.36km |
最高標高: | 149.36m |
最低標高: | 51.65m |
平均速度: | -0.02km/h |
毛越寺
特別史跡・特別名勝に指定されている毛越寺も訪ねてみた。中尊寺からは徒歩で25分ほどかかるのでちょっとした散歩程度。毛越寺ではあやめ祭り(6/20~7/10)が開催されており紫、白、黄色などの花菖蒲が咲き誇りこの時期ならではの光景であった。平安時代には中尊寺をも上回る規模の荘厳な伽藍であったとされているが、後年すべての建物が焼失しており、芭蕉が平泉の地で「兵(つはもの)どもが 夢のあと」と詠んだというのもうなづける。
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- 入口と本堂
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- 4月29日に船卸し式が行われた龍頭鷁首船(りょうとうげきす)。船首はFRP製、全長9m(船体部5.6m)全幅1.6m全高2.2m
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- 大泉が池
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- 開山堂と花菖蒲
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- 鮮やかなハナショウブ
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- 遣水(やりみず)は山水を池に取り入れるための水路。
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- 鐘楼跡から出島と池中立石(ちちゅうたていし)をのぞむ
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- 常行堂と地蔵菩薩(お地蔵さん)
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- 護摩木に願いを記し鐘を突くことが出来る(500円)
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- 出島石組と池中立石
GPSログ
出発時刻: | 10:24:26 |
到着時刻: | 12:48:03 |
合計時間: | 2時間23分37秒 |
合計距離: | -5856.23km |
最高標高: | 132.38m |
最低標高: | -28.96m |
平均速度: | -0.02km/h |
達谷窟毘沙門堂
厳美渓へ向かう途中にあるので立ち寄ってみた。岸壁に組み込まれたように達谷窟毘沙門堂がありその隣に磨崖仏が刻まれている。
厳美渓
栗駒山を源流とする磐井川中流の渓谷で、日本百景の一つとなっている。川の両岸に続く奇岩群や川底の甌穴(おうけつ)と呼ばれる穴はとりわけ珍しいものであり、自然の造形美と言えよう。
子安峡
厳美渓から今夜の宿泊地である小安峡温泉へ国道342号線を走る。栗駒山への登山口がある須川温泉辺りは霧がかかりヒンヤリとした空気が心地よい。またこの辺りは岩手・宮城内陸地震(2008年6月14日)の震源地に近く大きな被害のあったところである。磐井川支流の鬼越沢には崩壊した祭畤大橋(まつるべおおはし)が災害遺構として保存され被害の大きさを物語っている。小安峡温泉へ到着した頃には小雨が降り始めていたが、景勝地でもある小安峡の大噴湯を見ることにした。小安峡は雄物川支流の皆瀬川に位置する峡谷である。特に岩の裂け目から湯が噴出している大噴湯は通称「地獄釜」と呼ばれ、小安峡の見どころの一つである。
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- 岩手・宮城内陸地震(2008年6月14日)の災害遺構として保存されている祭畤大橋
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- 栗駒国定公園、大噴湯入口
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- 入口から長い下り階段が続く
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- 吹き上がる白煙
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- 吹き上がる白煙と岩から吹き出す熱湯
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- 大噴湯の前を小走りで通り振り返ると、赤い橋が印象的!
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- 岩から熱湯が噴き出している
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- 子安峡の住人と花
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- 子安峡温泉 こまくさ、山菜料理がメイン
2012年6月24日(土)曇り時々晴れ
道の駅
国道108号線沿いにある道の駅・鳥海郷へ立ち寄った。隣接する直売所・ほっといん鳥海には地元産の農産物が多く、お土産に農産物を持ち帰るのも旅の楽しみの一つ。
由利高原鉄道
矢島駅売店の名物売り子・まつ子さんが冷たい桜茶をご馳走してくれた。桜の花びらも入っていて、ほんのりと桜の香りがする。ちょっとした心遣いがとても嬉しい!店先に採りたての蕨があったので3束購入。せっかく訪れたので矢島駅発の列車を先回りして撮影することにした。鳥海山が見えないのが何とも残念である。
桑の木台湿原
これまで桑の木台湿原は荒廃のため入れなかったそうだが、最近になって木道が整備され、2012年6月にグランドオープンした。見頃を迎えたレンゲツツジの群生と雪渓の鳥海山を眺めながらの湿原トレッキングを楽しもうと訪ねたのだが、先日の台風4号の影響でレンゲツツジの花は殆ど落ちてしまっていた。そして鳥海山は雲に覆われたまま一度も姿を現さなかった。
獅子ヶ鼻湿原
獅子ヶ鼻湿原は中島台レクリェーションの森から遊歩道を歩いたところにある。湧水池を取り囲むように遊歩道が造られており、鳥海マリモや大量の水が湧き出している出つぼ、奇形ブナなどを観察できるので、一度は訪れたい場所である。
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- 獅子ヶ鼻湿原の入口
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- 出つぼと鳥海マリモ群生地(最短)との分枝
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- ブナ林を流れる湧水
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- 遊歩道を進む
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- 出つぼ(湧水池)は別名・熊の水飲み場と言われ大量の水が湧き出している
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- 左奥が遊歩道。正面奥は東北電力管理道路
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- 発電用水路。横岡第二発電所に続くようだ。
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- 湧水が集まり導水路へ勢いよく流れていく
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- 湧き水の周辺や川底にあるコケ
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- 緑のコケの付いた岩のようなかたまりが鳥海マリモと呼ばれる
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- 湧水の水流
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- 奇形ブナが多く見られるブナ林
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- ブナ林の中で見つかっている炭焼き釜のあと
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- ブナ原生林
ブナ原生林には奇形ブナがあちこちに見られるが、これは奇形ブナの中でも一際大きい奇形巨大ブナで、幹周りは7.26メートルあるそうだ。
GPSログ
出発時刻: | 11:44:54 |
到着時刻: | 16:19:33 |
合計時間: | 4時間34分39秒 |
合計距離: | -5929.39km |
最高標高: | 731.95m |
最低標高: | 451.88m |
平均速度: | -0.02km/h |
湯田川温泉
鳥海山山麓を後にし、湯田川温泉に立ち寄り湯をした。湯上がりに涼んでいると、地元の方から「ホタルが奇麗だよ~見ていきな~」と言われ、ホタル祭りに行ってみることにした。ホタルは田んぼの水路に集まるということで待つことしばし。暗くなるにつれポッポッと光り飛び交い始めた。その様子は何とも幻想的な光景であった。