鶴岡クラゲ水族館と酒田の豪商ゆかりの地
庄内地方に位置する山形県鶴岡では、クラゲの種類世界一を誇る加茂水族館を訪ね、幻想的で妖しく美しいクラゲの姿に魅了された。酒田では、酒田繁栄の立役者で、日本一の大地主と呼ばれた豪商の本間家ゆかりの地を巡った。途中で眺めた桜と残雪の山々の姿も忘れ難い。
2018年4月28日(土)晴れ
東北自動車道から山形自動車道を経由して鶴岡に向かう。月山トンネル付近から、残雪を戴く月山が望める。
鶴岡カトリック教会
鶴岡カトリック教会は、1903年(明治36年)に建てられ、明治ロマネスク様式建築の傑作として名高く、国の重要文化財に指定されている。教会は、旧庄内藩家老の末松家の屋敷跡の武家門の中に建っており、門には「天主堂」の木札が架けられている。国内唯一の「黒い聖母像」があることでも知られている。
天主堂はフランスのデリウッド教会をイメージした、バジリカ型三廊式である。
聖堂左側の副祭壇に祀られている「黒い聖母マリア」像は、1903年にフランスのデリブランド修道院から寄贈された。この像は、同教会にある「黒い聖母マリア」像の複製としてフランスで作られたもので、日本唯一で、世界的にも貴重なものと言われている。
天主堂の窓には、ステンドグラスとは異なる独自の技法でつくられた「窓絵」と呼ばれる聖画が嵌め込まれていてる。この「窓絵」は、薄い透明の紙に描かれた聖画を二重になっている窓ガラスの内側に貼り、さらにその両側から二枚のガラスで挟んだもので、高価なステンドグラスに代えてのものと考えられ、この教会独自のものである。
鶴岡市立加茂水族館
鶴岡市立加茂水族館は、山形県唯一の水族館で、愛称は「クラゲドリーム館」である。館内で飼育展示されているクラゲは50種類以上で、2012年にギネス世界記録に認定された。
庄内の淡水魚・海水魚
淡水魚コーナーでは、庄内を流れる川や池に生息する淡水魚を展示している。海水魚コーナーでは、庄内浜の沿岸から深海に住む魚や生き物を展示している。
クラネタリウム
クラネタリウムでは、常時50種類以上のクラゲを展示しており、クラゲの生態や魅力を伝えている。特に直径5mの水槽「クラゲドリームシアター」は、圧巻である。
アザラシプール
アザラシプールでは、アザラシやアシカが泳ぐ姿やアシカのショーが見られる。水族館には、ゴマフアザラシ、キタゾウアザラシの2種類のアザラシとカリフォルニアアシカが飼育されている。
鶴岡市から酒田市へ移動する。酒田市船場町にある酒田海鮮市場内の「喰居来居や和ん」(くいこいやわん)で昼食をとった。
本間家旧本邸
本間家旧本邸は、本間家三代光丘が幕府の巡見使一行を迎えるための宿舎として1768年に新築し、庄内藩主酒井家に献上した。二千石格式の長屋門構え桟瓦葺平屋書院造りで、武家造りと商家造りが一体となっている建築様式は、全国的にも珍しい。
本間家旧本邸別館は、本間家初代原光の「新潟屋」開業以来、本間家が代々商いを営んだ場所。館内には、実際に使用された帳場や度量衡、行灯等の照明具、台所用品、商いに使用された看板、消火道具などを展示している。
本間家美術館
本間美術館は、敗戦後の社会の混乱と人心の荒廃を見て、日本美術の鑑賞を通じて自信と誇りを取り戻して欲しいという念願から、本間家が創始者となり、自宅と庭を公開し1947年に開館した美術館である。古美術から現代美術までの幅広いジャンルにわたる、およそ3,000件の収蔵品がある。
山王くらぶ
「山王くらぶ」はかつて港都酒田を代表する料亭だったもので、現在は料亭文化、酒田の歴史などを広く紹介する施設として公開されており、国の登録有形文化財となっている。2階には日本三大つるし飾りのひとつ「酒田傘福」を常設展示している。
下日枝神社
下日枝神社の本殿・拝殿は天明年間に本間四郎三郎光丘が寄進したもので、1894年(明治27年)の震災で倒壊したものの、1907年(明治40年)に本間光輝により再建された。山王鳥居には西郷隆盛による「日枝大神社」の額が掲げられている。
日和山公園
日和山公園(ひよりやまこうえん)は、最上川河口にほど近く、酒田港を望む場所にある。園内には、表面に12支と東西南北の文字が刻まれた方角石(方位石)などの遺構が残されており、北前船の貴重な遺構となっている。御影石製の方角石(現存する日本最古の方角石)のほか、現存する木造洋式灯台としては日本最古級ともいわれる木造六角灯台、2分の1のスケールで再現された千石船、1813年築造の常夜灯などが移築されている。
山居倉庫
山居倉庫は、庄内地方の米の貯蔵庫として1893年(明治26年)に建てられた、白壁、土蔵づくりの倉庫で、米の収容能力は10,800トン(18万俵)である。敷地内には酒田市観光物産館「酒田夢の倶楽」、庄内米歴史資料館が併設され、美しいケヤキ並木でも知られている。
由良温泉
由良温泉は、庄内海岸随一の景勝地・由良海岸に面しており、近くには、由良海水浴場、白山島(はくさんじま)、由良漁港などがある。一日目の宿泊先は、温泉民宿「本間義一」である。
2018年4月29日(土)晴れ
鳥海山
山形県と秋田県の県境にある鳥海山は、日本海に面しており標高は2,236mである。コニーデ型の山容から、別名を出羽富士とも呼ばれ、山麓周辺の人々の守り神として古くから崇められてきた山である。丁度この時期、鳥海山の周辺では、残雪を戴く鳥海山と長閑な田園風景が見られる。
おしら様の枝垂れ桜
湯沢市・横堀地域の赤塚集落の白山神社(おしら様)のそばに立つ一本桜。高さ約10m、幹周り約3.65m、枝張り約19mの大木で、樹齢は約210年。「おしら様の枝垂れ桜」の愛称で親しまれている。2007年に湯沢市の天然記念物に指定されている。
途中、秋田県湯沢市の道の駅「おがち」、横手市の道の駅「十文字」に立ち寄った。
花巻・台温泉
台温泉は花巻温泉郷のひとつで、懐かしさを感じさせる旅館が立ち並ぶ昔ながらの温泉街である。2日目の宿泊先は、台温泉の吉野家旅館である。
2018年4月30日(土)晴れ
小岩井農場
小岩井農場は、岩手県雫石町・滝沢市にまたがる岩手山南麓に約3000haの敷地面積を有する日本最大の民間農場である。その内の約40haが観光エリアまきば園として開放されている。岩手県を代表する桜の名所の1つで、春になると、農場内にある観光エリアに植えられた約150本のソメイヨシノ、エドヒガンが咲き誇り、訪れる多くの花見客の目を楽しませる。特に、雪の残る岩手山を背景とした小岩井農場の一本桜は、絶好の撮影スポットである。
七ッ田の弘法桜
七ッ田の弘法桜は、雫石町の天然記念物に指定されている樹齢約800年のエドヒガンザクラである。その昔弘法大師がこの地を訪れた際、杖にしていた桜の枝を地面につきさしたものが根付いたと伝えられ、毎年ゴールデンウィーク頃には見事な花を咲かせる。
春子谷地湿原
春子谷地湿原は、岩手山南東の鞍掛山の山麓に開けた湿原で、鞍掛山の伏流水の湧水で成り立っている。貴重な湿地性の植物群や昆虫類に恵まれている。岩手県の自然環境保全地域に指定されているほか、春子谷地湿原に生息する植物群落は滝沢市の天然記念物に指定されている。
雫石川園地
雫石川園地は、JR雫石駅の南側を流れる雫石川の堤に約150本のソメイヨシノが植えられた場所で、雫石を代表するお花見スポットである。
くりでん鉄道公園
くりはら田園鉄道公園は、廃線となったくりはら田園鉄道こと「くりでん」の旧若柳駅を利用した施設で、くりでんミュージアムと、大正時代から使われていた旧若柳駅の駅舎、そして直売所と芝生広場(公園)から成る。くりでんミュージアムでは鉄道に関する資料を展示している。
米山チューリップまつり
米山チューリップまつりは、毎年4月下旬から5月上旬に行われる。道の駅「米山ふる里センターY・Y」西側の約100aの転作地を利用して植えられた、10万株、60種のチューリップの花々が咲き乱れ、多くの見物客で賑わう。
仙台
帰路、多賀城市内で夕食を摂り、帰宅した。