箱根仙石原の花々とヴェネチアン・グラス
2006年8月23日(水)曇り時々雨
新宿から小田急ロマンスカー「はこね15号」で約85分。ロマンスカーLSEで沿線の風景を眺めながらの快適な時間を過ごした。そうこうしているうちに箱根湯本駅に到着。ここから箱根登山電車に乗り換えて強羅を目指す。事前に「箱根フリーパス」を購入しておいたので、改札もスムーズだ。
強羅
仙石原にある湿性花園を散策することにしたので、強羅からは観光に便利な「施設めぐりバス」を利用した。バスは強羅を出発、いきなり急な坂を登る。箱根の山の険しさを垣間見たような気がした。
強羅は箱根登山鉄道の終点であると同時にケーブルカーとの接続駅でもある。
箱根ガラスの森
バスに乗っている途中に雨が降り出したため、湿性花園ではなく箱根ガラスの森で下車。室内の展示もあるので、雨の日でも見学可能なのだ。庭園内にはカンツォーネの生演奏が響き、イタリアンな雰囲気。ヴェネチアン・グラス美術館は、中世ヨーロッパ貴族御用達の優美なグラスが所狭しと並べられたギャラリー。ガラスの中にレースを封じ込めた「レース・グラス」や細やかな装飾が施されたゴブレットなど、どれをとってもガラス職人の技が生きた美しい物ばかりだ。作品を見てガラス工芸に魅力を感じたなら、ミュージアム・ショップでおみやげをどうぞ。アクセサリーなど豊富な品揃えに目を奪われるばかり。
仙郷楼
本日の宿は、仙郷楼である。創業は明治3年で仙石原地区の中でも歴史ある旅館で、おすすめできる宿だ。温泉(大浴場・露天風呂)は源泉掛け流しの白濁酸性硫酸塩泉。湯につかれば肌はすべすべに。夕食は部屋食で、新鮮な食材を使った料理は目でも楽しめるものばかりである。また広い敷地には散歩道もあるので、早朝には庭園内を散歩してみるのもいいだろう。おみやげ用に「箱根ごません」を購入。
2006年8月24日(木)晴れ時々曇り
箱根湿性花園
施設めぐりバスの発着点でもある箱根湿性花園は、水湿地に生息する草花を中心とした植物園で、3月から11月までの開園期間、園内には四季折々の花々が咲き乱れる。隣接する仙石原湿原植生復元区では、本来の湿原に近い形で生息する植物の息吹を見ることができる。特別展では「食虫植物」がテーマ。ウツボカズラやムシトリスミレなど、狩りをする植物が見もの。厳しい環境下でも栄養を得るため、足りない栄養分を虫で補うのだという。その他、園内ではサギソウやコオニユリなどが満開。
大涌谷
ロープウェイからは金時山を望むことができるはずだが、あまり視界は良くない。
桃源台-大涌谷間のロープウェイは新型架け替え工事中のため、2007年5月まで運休予定
姥子自然歩道
ロープウェイの掛け替え工事に伴い、桃源台-大涌谷間は専用のシャトルバスが運行されているが、今回は姥子自然歩道を歩いてみた。木漏れ日の下を歩くのは実に気分がいい。大涌谷から姥子までの道のりは30分ほどで全行程が緩い下り坂である。途中にはヒメシャラの群生なども見られる。
桃源台
芦ノ湖を横断するには海賊船(遊覧船)に乗らなければならない。海賊船は桃源台、箱根町、元箱根を結ぶ連絡船である。
箱根町・元箱根
下船はせず、甲板から箱根町港を眺める。遠くに見える箱根関所は、復元工事の真っ最中。
畑宿
箱根の代表的伝統工芸品「箱根寄せ木細工」の工房が軒を連ねる畑宿は、江戸から23里(=約90km)の場所にある。金指寄せ木工芸館でアクセサリを購入。
直吉
湯葉をつかった「湯葉丼」の専門店。湯葉には大平台で汲み上げる「姫の水」を使用しているとのこと。アツアツの湯葉を白いごはんの上に載せて食べるのだが、別々でも出来たてはおいしい。
箱根湯本
駅前を通るのは国道1号線で、交通量も多い。「元祖箱根温泉まんじゅう」という看板に惹かれて立ち寄った丸嶋本店で、まんじゅう(10ヶ入り、800円)を購入。まんじゅう本来の甘さが引き立つ、素朴な味わいだ。ちなみに、温泉まんじゅうの薄皮は白と茶の2色だが、時期によっては茶のみになるとのこと。
小田急ロマンスカーVSE
2005年に運転を開始したロマンスカー50000形はグッドデザイン賞やブルーリボン賞などを獲得し、各界からの評価も高い車両である。小田急の特急型車両としては15年ぶりとなる先頭展望車両でもある。
インテリア・エクステリアともに、従来のロマンスカーとはひと味違った趣だ。